Periodic regression analysis for blood pressure and heart rate of patients on dialysis

1994 
血液透析 (HD) 患者・CAPD患者および健常者の血圧と心拍数 (HR) を, 携帯型自動測定装置を用いて30分間隔で48時間連続モニター (ABPM) した. 得られた時系列成績の変動型と変動周期を, 高速フーリエ変換 (FFT) を用いた周期回帰分析法にて群別に比較検討した. 健常者およびCAPD患者においては, 収縮期血圧 (SBP)・拡張期血圧 (DBP) はともに夜間に下降する規則正しい変動型を示し, 24時間の概日リズムは保たれていた. しかしHD患者の場合は, SBP・DBPの周期回帰曲線はいずれも透析日の夜には下降するものの非透析日の夜には下降せず, 午後11時頃から翌朝6時頃にかけて逆に上昇する特徴的なパターン (midnight surge) を示した. フーリエ変換にて得られた周期寄与率を検討した結果, HD患者の血圧は24時間周期ではなく48時間周期で変動しているものと考えられた. さらに, 一日尿量の減少および透析による除水量の増加に比例して48時間周期成分に対する寄与率の増加とmidnight surgeの明瞭化を認めたことより, HD患者の血圧変動周期の48時間への移行の原因は体液貯留と透析による短時間の除水であると結論された. 一方, HRの変動周期に関してはHD患者も他の群と同様に24時間の規則正しい変動周期を示し, 体液因子の影響をあまり受けないものと考えられた. しかし変動型に関しては回帰曲線の振幅の減弱化と夜間の最低心拍数の高値化を認め, 軽度の自律神経障害が示唆された. 最後に, 糖尿病 (DM) を有するHD患者のみを選び周期解析したところ, SBP・DBP・HRすべてにおいて24時間や48時間の周期成分は有意には検出されず12時間周期のみが検出された. このことはDMを有する患者は体液因子のみではなく, 自律神経因子も高度に障害されているためと推定された.
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