Press through packageによる回腸穿孔, 汎発性腹膜炎の1症例

2007 
患者は脳梗塞, 高血圧症に対し薬物治療が行われていた76歳の男性で, 前医入院中に誘因なく腹痛を訴え, 腹部CT検査にて腹腔内遊離ガス像を認めたため転院となった. 初診時の腹部所見は板状硬で, 反跳痛, 筋性防禦を認めた. 腹部CT検査上, 腹腔内全体にわたる腹腔内遊離ガス像, ダグラス窩に腹水を認めたため, 消化管穿孔, 汎発性腹膜炎の診断にて緊急開腹手術を施行した. 回盲部から口側50cmの回腸に穿孔部位を認め, 同部位からPTPの角を視認できた. 穿孔部からさらに口側10cmのところにMeckel憩室を認めたため回腸・Meckel憩室合併切除術, 腹腔ドレナージ術を施行した. PTP誤飲による消化管穿孔症例はいまだ散見される. 特に60歳以上の高齢者に多く, PTPを誤飲したことを認識していない症例も少なくない. 高齢者に対する処方の際には, 医療従事者側の薬剤包装に対する配慮が必要であると考えられらた.
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