重症下肢虚血・壊疽の病態と治療―limb salvageのチーム医療

2011 
近年,わが国において生活様式・食生活の欧米化,高年齢化に伴い末梢動脈疾患(PAD)の増加が著しい.末梢動脈閉塞病変が悪化し潰瘍や壊疽を生じた場合を重症下肢虚血(CLI)といい,その予後は 1 年後生存率 75%で,そのうち 30%が肢切断に至っている.CLI に伴う創傷は,下肢動脈血流の著明な低下による安静時疼痛や潰瘍形成を臨床症状とし,治療が不適切であると下肢切断に至る.心筋梗塞,脳血管障害といった血管イベントの発生もきわめて高く,年間の死亡率は 20%にものぼる.CLI の治療には速やかな血行再建が必要であり,その後も全身管理,創傷のケア,潰瘍の治療,感染コントロールといった多面的な集学的アプローチが求められ,チーム医療が不可欠である.共通の治療アルゴリズムを用いることで円滑にチーム医療が進み,下肢救済治療を行うことができる.
    • Correction
    • Source
    • Cite
    • Save
    • Machine Reading By IdeaReader
    0
    References
    0
    Citations
    NaN
    KQI
    []