新鮮凍結血漿(FFP)投与による造血幹細胞移植後早期血管内皮障害の予防効果
2017
造血幹細胞移植(SCT)の際に生じる重篤な合併症である肝中心静脈閉塞症(VOD)は,肝臓中心静脈の内皮障害に伴う致死的な血液凝固異常症が基本病態である。原因は単一ではなく,病態も十分解明されていないが,新鮮凍結血漿(FFP)による予防効果が推測されている。そこでわれわれは,当院において2011 年1 月1 日〜2011 年12 月31 日までの1 年間で同種SCT を実施した症例群のうち,早期FFP 投与を行った症例とFFP 非投与症例の2 群比較を行った。対象症例は14(男性7,女性7)例,年齢の中央値は50 歳,平均値47 歳,範囲24〜63歳であった。早期FFP 投与群とFFP 非投与群の移植後60 日間までの検査値比較では,fibrinogen とFDP がFFP 投与群で有意に改善していた。FFP 投与群ではfibrinogen に代表される凝固線溶状態が改善し,それに伴って線溶マーカー異常の出現が予防できる可能性が推察された。
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