アトピー性皮膚炎に対するオキサトミド(セルテクト®)の有用性の検討

1996 
アトピー性皮膚炎患者71例を対象として, オキサトミドと外用ステロイド薬の併用治療により皮膚症状の軽快を確認した症例において外用ステロイド薬の使用状況を変えることなく, 維持療法として「オキサトミド投与を継続したA群」および「オキサトミド無投与としたB群」の2群について皮膚症状の推移を観察した。その結果維持療法中に自覚症状(そう痒)が悪化した症例数は2週後にA群3/22, B群10/21であり4週後A群3/27, B群12/20で, 2週および4週後ともにB群はA群に比し有意に多かった。また他覚皮膚所見悪化の症例数は2週後には有意な差はなかったが, 4週後にA群が3/27に対しB群は9/20となりB群で有意に多かった。また治療前に低IgE値を示す群(<250IU/ml)および高IgE値を示す群(250IU/ml≤)に層別化して治療前から維持療法開始時までの皮膚症状の改善度について検討したが, 自覚症状および他覚皮膚所見のすべての項目において両群に有意な差は認められなかった。以上の結果よりアトピー性皮膚炎に対してオキサトミドと外用ステロイド薬の併用治療は皮膚症状改善後の維持療法として有用であること, また治療前低IgE値および高IgE値いずれの場合も同様に皮膚症状の改善効果をもたらし有効性をもつと考えられた。
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