Differential Tissue Harmonic Imaging 超音波診断装置による脂肪肝の所見 ‐CT所見との対比による診断基準の再評価‐

2010 
目的:著者らは脂肪肝の超音波診断基準として“肝腎コントラスト”を1982年に報告したが,超音波装置の性能の向上によって超音波ビームのpenetrationが改善した結果,かつての基準を再検討する必要が生じた.今回はdifferential THIを登載した超音波装置を用いて肝腎コントラスト,肝静脈壁不鮮明化,深部減衰の各所見を再評価した.脂肪肝の程度を推定するgold standardとしてはCT numberを用いた.対象と方法:当院の健診で胸部レントゲン撮影と腹部US(超音波検査)を施行し,胸部レントゲン上の異常を指摘された結果,胸部単純CT撮影(上腹部を含む)を施行した312名である.用いた超音波装置は東芝のXARIO-XGで,CT装置はシーメンス社製のSomatom definition AS+である.結果:肝腎コントラスト(-)群,肝腎コントラスト(+)群,肝腎コントラスト+肝静脈壁不鮮明化(+)群,肝腎コントラスト+深部減衰(+)群のCTNはそれぞれ59.6±4.5HU(n=227),52.6±7.0HU(n=36),36.4±11.6HU(n=39),26.2±11.0HU(n=10)であった.結論:超音波ビームのpenetrationが改善された結果,小葉の30%の脂肪化は中等度の肝腎コントラストのみで検出することが出来る.肝静脈壁不鮮明化を伴った場合は小葉の>50%の脂肪化を検出することになる.
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