Unawareness of the speech defect in aphasic patients

1996 
慢性期の脳血管障害性失語症者66例を対象に形式化した質問表を用い,自己の言語障害に対する言語的に明言された不認知的態度について検討し,以下のような結果を得た。1. 5例が不認知的態度ありと判定されたが,これはその後の訓練態度などからも妥当であると思われた。2. 失語型は,ウェルニッケ失語2例,ブローカ失語1例,健忘失語1例,その他1例であり,聴理解障害は重度のものから軽度のものまで (Token Test : 32. 7%~77.0%) さまざまであった。3. 片麻痺の程度は,いずれもBrunnstrom Stage V~VIと軽度であり,明らかな片麻痺に対する病態失認的態度は認めなかった。4. WAIS-Rの動作性IQは,56~80と低下しており,いずれも何らかの知的障害を伴っていた。5.病巣は一定せず,多発病巣を持つものが多かったが,前頭葉病巣の関与が示唆された。    5例の明言された不認知的態度を,これまで提唱されている発現機制に関する仮説のどれか1つで包括的に説明することは適切でなく,多要因が関与する新たな均衡状態であるとの理解が重要であることを指摘した。
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