Studies on the Flavour of Yogurt Fermented with Bifidobacteria

1989 
Bifidobacterium属細菌および乳用乳酸菌(Bifidobacterium 5株,Lactobacillus 1株,Streptococcus 1株)を単独もしくは混合スターターとし,密閉容器を用いて調製したヨーグルトのヘッドスペースガス中の成分を直接,キャピラリーガスクロマトグラフィーにより分析し,検出された成分について,ガスクロマトグラフィーとマススペクトロメトリー(GC-MS)により同定を行なった.分析の結果,アセトアルデヒド,アセトン,2-ブタノン,エタノール,ジアセチルおよびジメチルスルフィドが検出された.このうち発酵によって生成する主成分はアセトアルデヒドおよびジアセチルであり,菌株によってはエタノールを生成するものも認められた.アセトン,2-ブタノン,ジメチルスルフィドおよびエタノールは原乳由来または原乳の加熱処理によって生成した成分であり,特にジメチルスルフィドは90°C,20分間の加熱処理により増加することを認めた.Bifidobacterium属細菌の単独スターターを用いたヨーグルトからは特異的な揮発性成分は検出されなかったが,B. breve ATCC15700でアセトアルデヒド生成量が高く,B. longum BB-536でエタノール生成量が高かった.bifidobacteria, Streptococcus thermophilusおよびLactobacillus bulgaricusとの混合使用の場合,アセトアルデヒドおよびジアセチル生成量はbifidobacteria単独の場合より高値を示したが,エタノール生成量は低値を示した.同時に実施した官能試験結果においても,bifidobacteriaに加えてS. thermophilus, L. bulgaricusを混合使用した場合には,bifidobacteriaの単独使用の場合よりも評価が高くなることを認めた.ヘッドスペースガス中の各成分含有量,およびヨーグルト中の有機酸含有量と官能試験結果について,統計処理を行なった場合,香りの評価とアセトアルデヒド,およびヨ-グルト中の乳酸含有量とは,正の相関(P<0.01)を示し,エタノールおよびヨーグルト中の酢酸含有量とは,弱い負の相関(P<0.45)を示した.本結果よりBifidobacterium属細菌を用いてヨーグルトを調製する場合には,それらを単独スターターとして使用するよりも,S. thermophilusやL. bulgaricusなどの乳用乳酸菌との混合使用が望ましいことが示唆された.
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