A Ruptured Internal Iliac Aneurysm with Ilioenteric Fistula
2005
症例は73歳の男性。大量下血による出血性ショックのため来院した。腹部造影CT,血管造影にて内腸骨動脈瘤の破裂とその下部消化管穿破を疑い,止血と再破裂を防ぐために経カテーテル動脈塞栓術(TAE)を2度,施行した。5日後,腹部造影CTにて腹腔内遊離ガスが認められたため緊急開腹術を施行した。術中所見で直腸前壁に穿孔を認めたため,同部位を切除し,直腸断端を閉鎖して人工肛門を造設した(Hartmann手術)。この穿孔部位が血腫の消化管への穿破部位と考えられた。さらに4日後,腹腔内ドレーンから便臭を伴う多量の排液が観察されたため,再開腹下に直腸を再切断し,腹腔内洗浄ドレナージ術を施行した。その後,数度の腹腔内膿瘍を繰り返したが,第48病日に外泊可能となった。しかし外泊中に右下腹部痛が出現し,第50病日には救急車で搬送され,センター到着時は心肺停止であった。内腸骨動脈瘤再破裂による出血性ショックと思われた。心肺蘇生法を行ったが心拍再開せず,永眠された。近年,内腸骨動脈瘤破裂にTAEが有効な治療として用いられているが,消化管穿破例ではTAEのみでは生命予後を改善しないと考えられる。
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