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KRAS/抗EGFR 抗体

2014 
上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor:EGFR)は細胞膜を貫通して存在する分子量170 kDaのチロシンキナーゼ型受容体で,細胞内シグナル伝達経路の起点としての役割をもつ.EGF(上皮成長因子)のリガンドがEGFR に結合すると二量体化してチロシンキナーゼドメインが活性化され,MAPK 経路,PI3K-AKT経路,JAK-STAT 経路などの細胞内経路を介して核内に細胞の増殖や成長を促すシグナルを伝達する. セツキシマブ(マウス・ヒトキメラ抗体)とパニツムマブ(完全ヒト化抗体)はEGFR のリガンド結合部位に結合し,EGFR の活性化を阻害する抗EGFR モノクローナル抗体である.わが国では2008年にセツキシマブが治癒切除不能,進行再発結腸直腸癌に認可されたが,EGFR を標的とした分子標的薬であったためEGFR の発現が治療効果のバイオマーカーになると考えられていた.後に,免疫染色法でのEGFR 発現度と抗EGFR 抗体の効果は相関しないことが示され,EGFR 発現は臨床的に意義をもたなくなった.抗EGFR 抗体のバイオマーカー検索が展開されるなかで注目されたのがKRAS 遺伝子変異の有無である.
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