Observation of Anchoring Structure of Liquid Crystal Molecules by Scanning Tunneling Microscopy

1996 
走査型トンネル顕微鏡(STM)は,原子,分子が直接観察できる超高分解能顕微鏡である。STMは基板界面の分子の配向が重要である液晶分野での新しい評価方法として期待されている。本報告では,液晶の界面分野の問題を扱ううえで重要な基板上の液晶配向状態の基板依存性,化学構造依存性,基板上の混合系液晶の分子配向状態について検討した。STMによる観察結果から基板の表面構造が異なるとその上の液晶分子配向状態も異なることが分子レベルで初めて確認できた。このことにより基板と液晶分子との相互作用の重要性が示された。混合系液晶化合物においても液晶分子の配向状態が観察可能なことを示し,その観察結果からバルクの液晶の混合比は基板界面の液晶の組成比に比例しないことを示した。また,アルキルシアノビフェニル系液晶化合物の単一液晶および2成分系液晶において等方相からの冷却過程でバルクの液晶の配向状態が基板との相互作用で変化し,基板に吸着する簡単なモデルで液晶分子の基板への吸着過程を表わすことができた。しかし,この簡単なモデルが成り立たない液晶化合物も存在することがわかった。一般的には液晶分子の基板への吸着過程はこのような単純なモデルでは表わすこと難しく,吸着構造は基板吸着時の液晶分子どうしの相互作用と基板と液晶分子との相互作用の二つの重要な因子で決まると考えられる。
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