醗酵法によるアセトン及びブタノールの製造に關する研究(第3報の2) 切干甘藷のアセトン・ブタノール醗酵(其の2)

1942 
本試驗蒸溜に於ては一系列をなす装置にては施行せず,各塔毎に箇別蒸溜をなしその操作,作業状況,物質收支,スチーム消費等に就き調査しその結果を記述せり.之より之等各塔を連結せる場合に就き概觀し得可し.即ち第5圖の如し(記號は前記の通り). (i) 該方式は物質の分離及び熱經濟に關し必ずしも最優秀とは思考せられざる迄も操作容易,作業安定なるは他の方式より優れたるものと考へらる. (ii) 分離効果は未だ不充分なるも更に段數を増加或は合理的設計及び操作法に依り向上せしめ得るならん. (iii) 物質收支の相償はさるは主に誤つての損失等に依るものにして排出液中には逸散ソルベントの見るべきもの無し. (vi) 製品規格に就てはブタノールは充分優秀なる品位のものを得るもアセトンに於ては最嚴格なる規格には未だ不適なる點あるも普通工業用目的には充分なる品位を示す. (v) スチーム消費量を總括するに下記の如し. 終りに臨み本研究に當り最初より御指導を賜はりたる東大農學部坂口謹一郎教授並に故鈴木彰農學士に對し深謝の意を捧ぐ.又終始御鞭撻御激勵下されたる中野前社長,木村工場長,大我部長,今般當研究發表を許可されたる大和田社長に對し深謝の意を表す.尚當研究進展に就き御盡力を仰ぎたる興國人絹パルプ株式會社理博小泉俊三氏,蒸溜機改修に關し御盡力を受けた日本蒸溜工業株式會社に對し深謝す.
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