Gene engineering of the adenovirus vector

2007 
アデノウイルスベクターは高い遺伝子導入効率,簡便な濃縮法による高濃度ベクター調製が容易であること,神経など静止期の細胞への遺伝子導入が可能であること等ベクターとして極めて優れた性質を有しており,遺伝子治療や基礎研究など広範な研究に有用性を発揮している.またベクター作製法の改良には多くの日本人研究者が関与しており,日本の研究者が最もこのベクターを活用しているとも言える.ベクター作製法は近年著しい進歩を示しており,免疫原性や遺伝子導入可能な細胞種の拡大などこれまでのベクターの問題点を解決した多くのベクターも開発されている.本稿では,主に応用されているE1置換型アデノウイルスベクター(第1世代ベクター)の最新の作製法とともに他のウイルスベクター作製法にも応用が可能な遺伝子置換反応(RMCE)を用いたベクター作製法も紹介し,これまでの「アデノウイルスベクターの作製は煩雑である」という誤解を払拭できればと考えている.またウイルスベクター作製法の開発にはウイルス固有の性質が反映しており,最近応用され始めている完全長ウイルスゲノム導入法でのベクター生成機序についても解析を加えた.更にはアデノウイルスベクターが一過性の発現ベクターである性質を活かしたスイッチベクターとしての当該ベクターの有用性についても言及する.
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