[An autopsy case of endocardial cushion defect (ECD) in an 82-year-old female].
1992
高齢まで生存し得た中間型心内膜床欠損症 (ECD) の症例を経験した. 症例は82歳女性. 主訴は息切れ, 家族歴は特記すべきことはない. 既往歴は昭和51年脳梗塞に罹患. 生来健康であったが, 昭和48年息切れが出現し, 心胸郭比 (CTR) 60%で僧帽弁閉鎖不全症 (MR) と診断された. 経過中, 心不全 (NYHA IV度) を繰り返し, 昭和62年8月, 当院入院した. 肝を4横指触知し, CTR71%でドップラー心エコー法にて下部心房中隔に短絡血流シグナル, 中等度MRと僧帽弁裂隙像を認め, ECDを疑い右心カテーテルを施行した. 肺動脈圧は65/25mmHgで, 心房レベルでO2 step up を認め, 左→右シャント率62% (Qp/Qsは2.64) と心房中隔欠損を確認した. 心電図は心房細動で, 脚ブロックと左軸偏位は認めなかった. 心不全は治療抵抗性で, 昭和63年7月死亡. 剖検で, 心房中隔一次孔欠損 (2×1cm), 僧帽弁及び三尖弁裂隙を有する中間型ECDと診断した. 本例はECDの報告例中, 先に報告した90歳女性に次ぐ高齢者例である. しかし, 心電図も非特異的で, 僧帽弁石灰化を伴い, 長期間弁膜症のみと診断されていたが, カラードップラー法によりはじめてECDと確診された. 高齢者心疾患のスクリーニングとして超音波心エコー法が今後有用になると思われる.
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