高速実験炉「常陽」性能試験結果報告書 : 高出力炉雑音特性第2報

1979 
炉出力50MW第2サイクル定格運転時(昭54.2)に炉雑音測足を行った。雑音解析にあたっては,炉容器内及び1次系ナトリウムルーブ内の温度,流量及び中性子束のゆらぎ(10times-3sim10times-1Hzの周波数帯域)についてこれらのゆらぎの相関を検討した。▲炉雑音解析の結果,以下の事柄が明らかになった。▲1)中性子信号の自己パワースペクトル密度に2.5sim3.0times10times-2Hzのピークが存在し,このピークはブランケットS/Aナトリウム温度の2.5sim3.0times10times-2Hzのゆらぎによって生じる中性子透過量のゆらぎが原因であると推論した。▲2)1.0sim5.0times10times-3Hzの中性子信号のゆらぎは原子炉入口温度のゆらぎによって生じる反応度ゆらぎであり,5.0times10times-3sim2.0times10times-2Hzの中性子信号のゆらぎはブランケットS/A内ナトリウム温度ゆらぎによって生じる中性子透過量のゆらぎであると推論した。▲3)燃料集合体の領域はコア内の温度の空間的な動きに関してA,B領域の2つの領域に分離できる。A領域とはS/A内のナトリウム温度ゆらぎが主にAルーブの入口温度ゆらぎに影響される領域のことであり,B領域とはS/A内のナトリウム温度ゆらぎがBループの入口温度ゆらぎに影響される領域のことである。この現象はほぼ下部プレナムでのA,Bループナトリウムの混合か少いために発生している。▲4)Aループの原子炉入口温度ゆらぎはBループの入口温度ゆらぎより大きい。これはAループでは冷却材流量のゆらぎが直接入口温度ゆらぎに影響しているのに対し,Bループではこの関係はほとんどないことが原因であると推論した。▲
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