A case of apolipoprotein E3 deficiency (E2/2 phenotype) associated with renovascular hypertension and atherosclerosis obliterans.

1984 
最近,我々は本邦においてまれと思われる動脈硬化性疾患を伴つたアポE3欠損症の1例を経験したので報告する.患者は59才,男性.間歇性跛行を主訴として来院.高血圧170/72mmHgならびに著明な高脂血症(総cholesterol 475mg/dl,中性脂肪758mg/dl)を認めた.血管造影上,外腸骨動脈,大腿動脈,腎動脈,頚動脈に著明な狭窄がみられた.高血圧に関しては腎動脈狭窄側である左側腎静脈血漿レニン活性の高値を認め,腎血管性高血圧症と診断された.高脂血症に関しては血清リポ蛋白電気泳動上のbroad βパターンおよび超低比重リポ蛋白分画のcholesterol/中性脂肪比の増加を認め, III型高脂血症と診断された.等電点電気泳動によるアポEの分析ではE2/2 phenotypeを示し,アポE3の欠損が確認された.入院後,低カロリー(1400Cal/日),低脂肪食(20g/日)の食事療法およびsimfibrateniceritrolによる薬物療法により高脂血症は改善され,間歇性跛行も軽快した.以上より全身性動脈硬化性疾患,殊に腎血管性高血圧症を呈する疾患の中にアポE3欠損によるIII型高脂血症を原因とする者が存在することを確認し,その脂質代謝異常の是正とともに臨床症状の改善が得られることを明らかにした.すなわち,全身性動脈硬化性疾患における本脂質代謝異常症の適切な診断と早期治療の重要性を強調する上で,貴重な症例と考えられた.
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