ラット (ビタミンA欠乏系) に投与したβ-カロテン及びカンタキサンチンの代謝並びに抗酸化作用への影響

2002 
本実験ではβ-カロテン, カンタキサンチン並びにそれらにコール酸を添加したものをビタミンA欠乏ラットに与えた各区における体重増加量の測定および血液, 肝臓中のカロテノイド, レチノール, レチニルエステル, RBP, α-トコフェロール並びに過酸化脂質の測定を行った.これらの結果, ラット内でβ-カロテンのレチノールへの変換は容易に行われた.これに比べカンタキサンチンはその構造のまま直ちにレチノールに変換されることは困難であった.しかし, 飼料中の還元剤などでレチノール変換の中間体であるゼアキサンチン, 3-デヒドロレチノール, または直接レチノールに一部は変換され得ることが示唆され, 今後の研究課題である.なお, カンタキサンチンはβ-カロテンに比べ, 抗酸化的にかなり強い作用を示していることから, 直接的には, 過酸化脂質の生成や, ビタミン類などの酸化を防ぎ, 腸管粘膜その他の上皮組織の角質化を防ぐものと考えられる.また, これらの作用から生体膜の機能の正常化を維持し, 結果的に生体内での有効性が示唆された.なお, コール酸の添加は, 諸測定値の結果から, β-カロテンの摂取をかなり助長したが, カンタキサンチン摂取での効果にはなお検討の余地が残る.
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