A CASE OF MULTIPLE DIVERTICULOSIS OF THE SMALL INTESTINE WITH ENTEROVAGINAL FISTULIZATION DUE TO DIVERTICULITIS

2002 
患者は72歳女性で便様の帯下を主訴に来院した.子宮摘出後の膣の断端に1mmの小孔があり同部より排液を認めた.瘻孔造影にて小腸が造影され小腸膣瘻と診断し開腹術を行った. Bauhun弁より15cmの回腸が膣断端と瘻孔を形成しており,回腸10cmと膣断端を合併切除した. Treitzから小腸全体に100以上の憩室を認め,憩室炎による回腸膣瘻と診断した. 憩室症は大腸に認められることは多いが小腸に認めることは稀である.小腸の憩室でもっとも頻度の高いのは先天性のMeckel憩室であるが,小腸憩室は後天性の仮性憩室であり,そのほとんどは十二指腸に認められ,空回腸に認めることは稀である.今回われわれは憩室炎により回腸膣瘻を形成し,手術の際空回腸にびまん性に100以上の憩室を認めた症例を経験した.小腸憩室症について文献的な考察をふまえ報告する.
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