小学校理科における学び文化の創造(11) : 子どもの金属概念の理解を促す教材の開発
2011
本研究の目的は, 児童の金属概念の理解を促す教材として, ぬり絵付き科学読み物を開発し, その学習効果を検証することであった。研究授業は2010(平成22)年10月26日に, 広島大学附属小学校において実施された。実施単元は第3学年の理科単元「電気の通り道」であり, 対象児童は同小学校1部第3学年の41名(男子20名, 女子21名)であった。学習前後に実施したアンケート調査や学習後の児童による感想文の分析から, 次の諸点が明らかになった。(1)ぬり絵付き科学読み物の講読によって, 金属の種類や性質, 金属を用いた日用品, 鉄くぎの製造などに関する児童の理解が深まった。(2)児童は科学読み物に対して強い関心を示しており, 科学読み物の講読を契機として理科が好きになる可能性が示された。(3)児童はぬり絵について楽しく感じており, ぬり絵を契機として理科が好きになる可能性が示された。(4)ぬり絵付き科学読み物の理科単元への導入は, 金属学習に対する児童の意欲を喚起する上で有効であった。
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