Surgical Strategy for Minimally Invasive Coronary Reconstruction in Chronic Hemodialysis Patients

2008 
慢性透析患者は術前より多くの合併症を有し,術後は致命的な合併症を生じやすい.この観点から低侵襲外科治療を心がけており,その治療戦略について検討した.基本方針は off-pump CABG(OPCAB)による動脈グラフトを用いた完全血行再建であるが,高度機能障害進行例においては hybrid 治療や key vessel のみの血行再建を選択している.周術期管理として,積極的な continuous hemodiafiltration(CHDF)の使用が重要であり,必要時は術中から,術後は全例で CHDF を施行し,厳密な水分コントロールを行っている.血行動態安定後,血液透析へ移行する.当科において OPCAB 導入を行った1999年8月から2006年12月までの単独冠血行再建例608例中の,慢性透析患者25例を対象とした.平均年齢66.3歳.術前合併症は全例に認め,対照である非透析群より個々の合併症についても複数保有率についても有意に高率であった.手術死亡・在院死亡ともになし.平均病変枝数2.32に対して2.4本の血行再建が行われており,全例 OPCAB により完遂していた.完全血行再建は25例中22例であった.急性期の重大な morbidity はなく,遠隔死亡は心臓関連死2例であった.対照群との比較では遜色ない結果であることが示された.慢性透析患者に対するわれわれの治療戦略は満足のいくものであった.術中より積極的に施行することで,CHDF は有用な補助手段であると考えられた.
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