小児慢性腎不全のAcquired cystic kidney diseaseの疫学調査

1998 
小児慢性腎不全患者のAcquired cystic kidney disease (ACKD) の頻度および合併症を把握するために,九州小児ネフロロジー研究会に所属する15施設でフォローされている維持透析中および移植後の患者に疫学調査を行った。ACKDは超音波,CTあるいはMRIで両側腎に4個以上の嚢胞を認めるものとし,4個未満はSolitary cyst (SC) とした。対象の39例のうち13例 (33%) にACKDを認め,6例 (15%) にSCを認めた。ACKDの患者の透析期間はSCおよび嚢胞のない患者の透析期間より有意に長く,ACKDの頻度は透析期間が長いほどその頻度は増加した。毎年画像診断で嚢胞の経過を追跡しえたACKDの4例の嚢胞の数およびサイズは年々増大した。肉眼的血尿を発症した2例のうち1例は嚢胞破裂により嚢胞内および後腹膜に大量の出血を呈した。今回の調査で腎臓癌を思わせる所見を呈した症例はなかった。維持透析を行っている小児慢性腎不全患者においては定期的に画像診断を行い,嚢胞の経過観察を行う必要がある。
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