A Case of Liver Dysfunction Associated with Long-Term Methotrexate Therapy
1974
本邦では,メソトレキセートによる長期治療例は少ないが,欧米では数年前から乾癬に対して長期投与され,肝障害をきたす例が注目されてきている.ここに報告する症例は58歳の男性で,乾癬に対して約6年間メソトレキセートを投与されたが,腹水と肝障害のため入院した.肝生検の結果は,肝細胞は核の大小不同,pleomorphismが目立ち,幅の狭い線維性間質が小葉間を分割するように走っているが,未だ偽小葉を形成するには至らない肝線維症の所見であり,この肝障害はメソトレキセートによるものと思われた.メソトレキセートによる重篤な肝障害には肝線維症と肝硬変症があるが,それらはDose dependentであることが示唆されている.メソトレキセートによる肝障害および乾癬との関係について,若干の文献的考察を加えた.
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