ウイルスマーカーの消長からみたHBe抗原陽性慢性肝炎に対する溶連菌製剤(OK-432)の効果について

1983 
免疫賦活作用を有し,interferon inducerであるOK-432をHBe抗原陽性の慢性肝炎患者に投与し,主としてウイルス学的指標を用い,その治療効果を,OK-432非治療群(naturalcourse群)をcontrolとして比較検討した.OK-432投与群では平均観察期間20.1ヵ月において42例中27例(64.3%)にHBe抗原が消失し,うち14例(33.3%)にHBe抗原からHBe抗体へのseroconversionを認めた.一方,natural course群では平均観察期間32.3ヵ月で75例中23例(30.7%)にHBe抗原が消失し,うち13例(17.3%)にseroconversionがみられた.すなわちOK-432投与群ではnatural course群に比し観察期間が短いにもかかわらず,HBe抗原の消失およびseroconversionが有意に高頻度で観察された.また,女性,若年例および投与前GPTの変動が大きい例でHBe抗原・抗体系に改善傾向を示した.肝機能についてもOK-432投与群で,明らかにGPTが安定化した.
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