声帯麻痺に対する最近の手術的治療--特にTitanium Plateを使用した音声再建について

2011 
当院においては,片側声帯麻痺によって生じた音声障害例に対し,甲状軟骨形成術I型または被裂軟骨内転術および両者を組み合わせた術式を施行している。それによって術後の音声に関して安定した成績が得られている。I型は,一色の原法に従い,窓状に切開した軟骨片は除去せずに残す方法をとっている。内方に圧排した軟骨片の固定には,従来,シリコンブロック,Gore-Tex®等が用いられてきた。しかし当院においては,最近,ほぼ全例にチタンプレートを使用している。チタンプレートは術中の成形が比較的簡単でかつ耐久性があり,組織親和性が高いことなどが特徴としてあげられる。また周囲組織への固定が簡便で,局所麻酔下において患者に発声させながらの音声の調整も容易である。さらにシリコンブロックやGore-Tex®による軟骨片固定の失敗例に対する再手術への使用に対しても良好な結果を得ている。今回われわれはこれまでにチタンプレートを用いて音声再建をした声帯麻痺症例を検討し,良好な結果を得ることができたことを確認した。
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