Comparison of microfissures between the oval and round window niche areas in human temporal bone

2000 
(目的)Microfissureは正円窓窩領域に関しては多くの報告があるが,卵円窓窩領域に関してはほとんどみられず,また同一症例で両領域を比較検討した報告もみられない.そこでヒト側頭骨標本を用いて両領域のMicrafissureを比較検討した.(対象)両領域の観察に適したヒト側頭骨333例637耳を対象とした.(方法)標本は,Heidenhain-Susa液またはホルマリン液にて固定し,脱灰,脱水後,セロイジン包埋し,25μmの厚さで水平断連続切片とし,10枚毎にH-E染色を施し,光学顕微鏡下に観察した.両領域のMicrofissureの出現頻度を性別,左右別,年齢別に検討した.(結果)卵円窓窩領域のMicrofissureは66.2%に認められ,正円窓窩領域のMicrofissureは92.0%に認められた.卵円窓窩領域にMicrofissureを認めた症例はすべて正円窓窩領域にもMicrofissureを認めた.両領域とも性差はなかった.卵円窓窩領域では74.4%,正円窓窩領域では98.1%で両側にMicrofissureが認められ,左右差はなかった.年齢別では,卵円窓窩領域のMicrofissureは14歳で認められ,以降60歳代まで年齢とともに出現頻度が増加していた.一方,正円窓窩領域のMicrofissureは3歳から認められ,10歳代以降ほぼ全例に認められた.また正円窓窩領域のMicrofissureの出現頻度はいずれの年代でも卵円窓窩領域のMicrafissureの出現頻度より高かった.(結語)卵円窓窩領域より正円窓窩領域の方がMicrofissureが生じやすい部位と考えられた.Micrnfissureは成長など左右差のない事象により生じるものと考えられた.卵円窓窩領域のMicrofissureの出現頻度が20歳代以降も徐々に増加している所見は.成長が終了した後も咀嚼等の因子によりMicrofissureが生じる可能性があると考えられた.Microfissureの関与が疑われる病変の場合,卵円窓窩領域の病変についても十分に留意する必要があると思われた.
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