Effect of Nitrogen-Content in Soil on Uptake of N-Manure by Tea Plant

1985 
茶樹の施肥窒素吸収に及ぼす土壌窒素の影響について検討するため,全窒素含有率の異なる黒ボク(鹿児島土壌A:T-N0.64%,鹿児島土壌B:T-N1.21%,筑波土壌:T-N0.37%)をa/5000ポットに充てんし,やぶ並1年生苗を定植した。6週間均整栽培後15N標識硫安(10.3atom%)をポット当り窒素として100,200,400mg施用し,5週間後に掘りとり,器官別に15N含有率を測定し施肥窒素,土壌窒素の吸収量を求めた。その結果は次のように要約される。1) 新芽および茶樹全体の乾物重は鹿児島土壌A,B区が筑波土壌区に比べて多かったが,A,B区間では明らかな差異は認められなかった。2) 新芽,成葉,茎,根の全窒素含有率に対する施肥窒素の寄与率は100,400mg区ではいずれの部位ともに筑波土壌区,鹿児島土壌A区,B区の順に高かったが,200mg区ではいずれの部位でも判然としなかった。3) 施肥窒素の各器官への分配率は新芽が最も高く,土壌や窒素施用量の相違による差異は認められなかった。4) 土壌窒素の吸収量は100,200mg区では鹿児島土壌B区,A区,筑波土壌区の順に多かった。施肥窒素の吸収量では,鹿児島土壌A区は筑波土壌区に比較していずれの窒素施用量区でも多かったが,鹿児島土壌B区の吸収量と他の土壌区では一定の傾向は認められなかった。5) 以上の結果,本試験では土壌の全窒素含有率の高い土壌では土壌窒素の吸収量は多く,それとともに乾物生産量が増加したために施肥窒素の吸収量が多くなったものと推察される。本試験は昭和58年に旧農林水産省農業技術研究所(農技研)で研修した際に実施したものである。試験にあたっては旧農技研の作物栄養第3研究室長石塚潤爾博士,河内宏博士の御助言をいただき,鹿児島茶試環境研究室長藤嶋哲男博士,松元順研究員には御援助をいただいた。ここに御礼申し上げます。
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