肺切除術にて根治可能であった Mycobacterium abscessus 肺感染症の一例

2010 
胸水貯留にて発症し,診断に難渋したMycobacterium abscessus(M. abscessus)肺感染症に対し手術にて根治できた一例を報告する.症例は58歳,男性.2007年7月,左胸痛,発熱,呼吸苦が出現し当院内科受診.胸部X線にて左胸水貯留が認められた.抗生剤投与するも左胸水の増加を認めたため,胸腔ドレナージ目的で呼吸器外科転科となった.左胸腔ドレナージ後も左肺下葉の拡張不良が持続し,慢性膿胸が疑われ胸膜剥皮術施行.しかし,拡張不良が持続するため何らかの器質的な病変の合併を疑い気管支鏡検査を施行.左肺底区支には多量の粘稠痰貯留を認め,DNA-DNA hybridization(DDH)法により,非結核性抗酸菌症の中で最も難治性のM. abscessusが証明された.左肺下葉に限局した病変であり,術前にクラリスロマイシン(CAM)を中心とする化学療法を6ヵ月間行い,2008年3月,左肺下葉切除術を施行し良好な術後経過を得た.
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