【分解(死)】 多様化するユビキチンコード

2018 
低分子量蛋白質であるユビキチンは,エネルギーを利用した酵素群(E1,E2,E3)のカスケード反応により,基質蛋白質に付加される.ユビキチン修飾系は,従来知られている基質蛋白質の選択的分解における役割に加え,シグナル伝達,DNA 修復,免疫応答など多彩な細胞内機能の時空間的制御に重要な役割を担う.ユビキチンによる修飾様式は一様ではなく,モノユビキチン化やhomotypic なポリユビキチン化(M1,K6,K11,K27,K29,K33,K48,K63)の存在がこれまで知られてきたが,最近では,分岐鎖や混合鎖とよばれる異なるタイプのユビキチン鎖が同一鎖状に存在するheterotypic なポリユビキチン化も報告されはじめている.さらに,ユビキチン自体の修飾の存在も明らかになったことから,今後,ユビキチン修飾が持つ構造的多様性(ユビキチンコード)とその生理学的意義について,さらなる理解が必要となろう.
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