多発肝膿瘍を合併した小腸GIST の1 切除例

2011 
症例は50 歳台,女性。心窩部痛,頭痛を主訴に当院を受診した。発熱,炎症反応上昇,肝機能障害があり,CT で肝多発腫瘤と小腸間膜に5 cm 大の粘膜下腫瘍を認め,精査加療目的で入院となった。小腸腫瘍内腔に液体とガスが貯留し,消化管との交通が疑われた。肝腫瘤は膿瘍と考え抗菌薬を開始したが,小腸腫瘍を経由して細菌が肝に移行したと考え,第3 病日に小腸部分切除術を施行した。腫瘍は,c-kit(+),CD34(+)でGIST と診断した。術中に切除した肝結節は,c-kit(-),CD34(-)で膿瘍と診断した。術後発熱の改善に乏しく,縮小のみられなかった膿瘍に対し経皮経肝膿瘍ドレナージを施行,その後は経過良好で退院となった。肝転移のリスクは高いと判断し,退院後にイマチニブを開始した。術後約11 か月が経過しているが再発・転移は認めていない。多発肝膿瘍を合併したGIST の症例は報告が少なく,貴重な症例と考え報告する。
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