Evaluation of five patients on CAPD with sclerosing encapsulating peritonitis

1995 
硬化性あるいは硬化性被包性腹膜炎 (SEP) は, CAPDの最も重篤な合併症である. 我々は, 1980-93年までに5例の本症を経験した.症例の年齢は30-64歳, 平均48歳で, 男性3例, 女性2例である. 血液浄化法は, いずれも血液透析およびCAPDの両者を用いており, CAPDの実施期間は平均5年であった. うち1例は, CAPD開始後2年で生体腎移植を受け, 4年後慢性拒絶反応にて血液透析に再導入された症例であり, その半年後にSEPを合併した. また, 全例がCAPD期間中に1-8回, 平均4回の腹膜炎を経験している. SEPのため手術を行った例は4例で, 症例1-3には, 開腹による癒着剥離, 腸瘻造設を, また症例5には, 腹腔鏡下に癒着剥離, 腹膜生検を行った. 症例4, 5は在宅IVHおよび胃管自己挿入による腸内容の排除で経過を観察した.症例1-3は手術後早期に, また症例5は手術後1年で, いずれも敗血症で死亡した. 一方, 症例4は1年後の現在, 全身状態は良好である.SEPでは, 被包内に圧縮された腸管の循環障害, 壊死などにより敗血症を呈し死に至ると考えられる. しかし, 現時点で進行した症例に対する有効な治療法はなく, 早期診断進展の予防が重要と思われる. 開腹術後の予後は特に不良であり, 完全中心静脈栄養による保存的療法が望ましい. また, 根治的治療として今後, 全小腸摘除および同種移植なども検討する必要がある.
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