A CASE OF CECUM CANCER PRESENTED WITH FORMATION OF A GIANT SUBCUTANEOUS ABSCESS
2003
症例は49歳の女性.右下腹部の疼痛と同部の巨大腫瘤を主訴に来院した.血液検査にて著明な貧血と炎症所見を呈し, CEAの上昇を認めた.腹部CTにて回盲部に直径6cmの腫瘍像を認め,この周囲から腹壁を介して皮下に連なる液体成分主体の腫瘤陰影を認めた.腹部USでは皮下膿瘍と思われるecho free spaceを伴う, echogenic massが腹腔内に描出された.以上より回盲部癌の腹壁浸潤による皮下膿瘍形成と診断し,ただちに切開排膿を施行した.全身状態の改善を待ち,入院7日後にD3郭清を伴う結腸右半切除術を施行した.腫瘍は盲腸に位置し, 10×7 cmの潰瘍限局型で後腹膜に穿破していた.病理組織診断は中分化型腺癌, se, ew(+), n(-)であった.腹壁に皮下膿瘍を形成した症例については大腸癌の潜在に注意する必要があると思われた.
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