外陰, 子宮頸部および陰茎コンジローマにおけるIn Situ Hybridization (Vira Type in situ) によるHPV DNA-6/11型の検出
1990
当科STD外来にて診断, 加療したコンジローマ症例を対象にHPV (human papillomavirus) の検出を行った.10%緩衝ホルマリン固定後, パラフィン包埋により保存された生検組織標本 (外陰コンジローマ16例, 子宮頸部コンジローマ6例, male sexual partnerの陰茎コンジローマ13例) を対象にビオチン標識プローブを用いたin situ DNA hybridization (Vira Type in situ) により, HPV-6/11型の局在性を検討した.その結果, HPV-6/11型DNAは外陰コンジローマで68.6%, 頸部コンジローマで66.7%, 陰茎コンジローマで84.6%に検出された. sexual partnerにおいては, 12組中7組 (58.3%) でHPV-6/11型が男女ともに検出された.HPV DNAの局在をみると, 扁平上皮の表層で強いsignalが, 基底層では弱いsignalが得られ, 上皮の分化に伴うHPV DNAの増加が認められた.また, 組織学的検討の結果, HPV-6/11型によるコンジローマで悪性病変に至ったものはなく, 男女ともにmild dysplasiaが認められたに過ぎなかった.
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