ラット骨強度および骨格筋ミトコンドリア容量密度に及ぼすカルシウム (過剰と欠乏) と持久運動の影響
2003
カルシウム (Ca) 補足と持久運動が骨強度および骨格筋ミトコンドリア容量密度に及ぼす影響を成体初期雌ラットを用いて検討した。ラット (36匹) をCa含量の異なる食餌 (0.02% Ca: LCa, 0.74% Ca: MCa, 2.24% Ca: HCa) により3群を設定し, さらに, この3群を非運動群 (-NEx) と運動群 (-Ex) に分けた。運動群には, 速度10m/分, 時間90-180分/日の走運動を6週間にわたり実施させた。いずれの群でも血清Ca2+濃度の低下は認められなかったが, 大腿骨強度はLCa群がMCa群より有意に低下し (LCa-NEx vs MCa-NEx, 16.3%; LCa-Ex vs MCa-Ex, 23.4%), その低下率は運動負荷との組み合わせにより43.3%増大した。ミトコンドリア容量密度 (MVD) は, Ca含有量に関わらず運動により増加した。MVDは, NEx群ではCa含有量の影響を受けなかったが, Ex群ではCa含有量に比例して高いことが認められた (HCa>MCa>LCa)。これらの結果から, 食餌性高Ca摂取状態で運動を負荷すると骨格筋ミトコンドリア容量密度を増大させ, 逆に, Ca欠乏での持久運動は, 運動の効果を低減させるばかりでなく, 骨代謝をさらに悪化させる可能性を示した。
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