Bacillus 属細菌の産生する抗菌活性物質の性質ならびに分離・精製

1990 
1) 分離細菌によって生産される抗菌活性物質はpH3.5付近に等電点を持つ水溶性の高分子ペプチド化合物と考えられる.2) この抗菌活性物質は少なくとも121℃, 15分間の加熱までは活性を維持することができる耐熱性の物質である.3) この抗菌活性物質は培養液へのアセトンの添加では沈殿させにくい.4) 硫安塩析では, 抗菌活性物質の沈殿が得られるが粘凋なため多量処理には不適当である.5) 酸沈殿法により抗菌活性物質を容易に培養液より粉末として分離することができる.6) 酸沈殿法で得た粉末を DEAE-cellulose で分画し, 複数の抗菌活性を示す画分を得た.7) 培養液を直接 DEAE-cellulose に通し, 抗菌活性物質を吸着させ, これより0.4~0.8Mの食塩濃度の50mMリン酸緩衝液 (pH6.8) を用いて stepwise elution により抗菌活性物質を分画することができる.8) 培養液より抗菌活性物質の分離に, DEAE-cellulose を使用するバッチ法で大量処理が可能である.9) Sephadex G-100 を用いるゲルろ過で, 比較的分子サイズが均一な抗菌活性物質を得ることができた.
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