Mesurements of Mixed Valences of Ce by L3-XANES Analysis

1989 
Ce原子はXe殻の外側に4f15d16s2の電子配置をも ち,合金中では5d,6s電子は放出されて伝導電子と なる.しかし,4f電子のエネルギー準位はフェルミ エネルギーに近いため,電子は伝導帯と4f準位の間 を往復し,4f電子の数は時間的に変化する.この現 象は価数揺動と呼ばれる.4f電子数が変化すれば当 然Ceの価数が変化し,時間平均した価数(以後,こ れを“価数”と呼ぶ)は通常3価と4価の中間の値を とるので,中間価数と呼ばれている.また,この4f 電子はエネルギー的に不安定なので,圧力や他の成分 原子の影響などの外的要因によって4f一伝導帯の遷 移確率が変化し,Ceの価数が変動することになる. いくつかのCe化合物で報告されている高密度近藤効 果なども4f電子に起因すること1)2)が知られており, このような特異な物性を理解する上でCeの価数を正 確に知ることはきわめて重要である. Ceをはじめとする価数揺動状態にある希土類元素 の価数はこれまで,格子定数のベガード則からのずれ から見積るなど間接的な方法鋤がとられてきたが, 求められる価数変化は過大に評価されることがわかり, 問題となっている.これに対し,近年では光電子分光 法やX線吸収スペクトル法(X・ray Absorption Spectroscopy:XAS)により, Ceの価数を直接求めること が試みられている.特に,シンクロトロン放射光を利 用したXASによって高い分解能で中間価数状態を測 定することが可能となってきた.しかしこの場合も, スペクトルの解析方法は研究者によって異なり,同じ 物質でも求められる価数の絶対値は必ずしも一致して いない.そこで我々は,Ceの価数を導出するために, L3吸収スペクトルを精度良く解析できるコンピュー タープログラムを作成し,それをいくつかのPd-Ce 合金やCe化合物に適用し,それらに含まれるCeの 価数の導出を試みた.
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