<Special Article> 肺癌検診の歩みと今後の展望

2012 
肺癌検診の有効性評価は,欧米では無作為化比較試験の結果から否定的見解であるが,わが国では結核検診の実績もあり,症例対象研究の詳細な検討から肯定的見解である.わが国の肺癌検診ガイドラインでは,二重読影,比較読影などの適切な条件を確保した検診であれば死亡率減少効果が認められるとされている.肺癌検診の学問的側面は発展しているが現在のわが国での検診は市区町村が主体であり,現場の地域差が大きく,受診率も低迷している.低線量 CT による肺癌検診の無作為化比較試験では,高危険群で死亡率減少効果を認めている.しかし検診現場への導入には多くの課題がある.
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