A CASE OF STRANGULATION ILEUS INDUCED BY EXTRA-GASTROINTESTINAL ANISAKIASIS

2008 
症例は30歳,女性.左腹部の激痛を訴え当院受診.帝王切開と子宮筋腫核出術の既往あり.左腹部に腹膜刺激症状があり,腹部CTで左上腹部の限局性小腸ガス像を認めたことから,絞扼性イレウスの診断で緊急手術施行となる.Treitz靱帯より60cm肛門側の小腸間膜にリンパ節様結節性病変が付着し,そこから伸びる索状物で小腸の一部が絞扼されていた.索状物と結節性病変の切除によりイレウスは解除された.病理所見で,結節性病変は変性壊死と多量の好中球,組織球,好酸球浸潤を背景とする1mm径程度の好酸性構造物から成り,アニサキス虫体の一部との結果を得た.アニサキス症は大部分が胃・小腸を主とする消化管壁の急性炎症として発症するが,自験例は消化管外アニサキス症により絞扼性イレウスを生じた稀な症例であり,同様の報告は本邦で僅か6例である.非常に頻度は低いが,絞扼性イレウスの原因疾患として,本症を理解しておく必要がある.
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