胸部CTで肺癌を疑い切除した肺毛細血管腫(capillary hemangioma of the lung)の1切除例
2010
背景.毛細血管腫(capillary hemangioma)は,肺での発生は非常に稀である.今回我々は,胸部CTで肺癌が疑われ,病理組織検査で肺毛細血管腫と診断された症例を経験したので報告する.症例.症例は45歳男性.人間ドックの胸部単純X線検査にて左下肺野横隔膜上に小結節影を指摘された.胸部単純CT検査で左S9bに直径1 cm大の結節影を認め,肺癌を疑ってPET-CTを行ったが,腫瘍・リンパ節ともに有意な集積を認めなかった.第一に良性腫瘍が疑われたが,早期肺癌も否定できないため,診断・治療目的に胸腔鏡下肺部分切除術を施行した.病理組織検査では,腫瘍は境界不明瞭な黒褐色の硬い9×4 mm大の腫瘤で,拡張した毛細血管が密に増生していた.悪性像はみられず,肺毛細血管腫と診断された.術後経過は良好であった.結論.今回経験した肺の孤立性毛細血管腫は特に成人では非常に稀であり,また組織像が類似する肺毛細血管腫症(pulmonary capillary hemangiomatosis;PCH)や,早期肺癌との鑑別について文献的考察を加えて報告する.
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