急性期血栓溶解療法―認可から20 年の動向

2015 
◎急性期脳梗塞例に対する治療においてもっとも考慮すべきポイントは,発症からの治療までの時間である.主幹動脈閉塞例では毎秒8.7 時間,毎分3.1 週,毎時3.6 年,1 回の発作で36 年分の加齢に相当する神経細胞が失われるとされる.tPA 療法を発症から早期に行うことは,早期再開通現象の確率を高め,転帰改善を高める.1996 年,アメリカでtPA 療法が認可されてから約20 年が経過する.この間,tPA 療法の適応時間は発症3 時間以内から4.5 時間以内に拡大され,同療法の施行例は増加している.しかし,現在でも適応例は急性期脳梗塞例全体の数%にとどまる.近年,画像検査やMobile Stroke Unit,アルテプラーゼ以外の薬剤を用いた適応例の拡大に関する検討や,早期再開通現象を促進させる試みが行われている.本稿では,tPA 療法に関して,最近の動向を含め概説する.
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