ニッケル触媒によるブタジエンのサスペンジョン型シス-1,4重合

1967 
高濃度のブタジエンの溶液重合において発生する重合系の高粘性を避けるために,3成分系ニッケル触媒を使用するサスペンジョン型のシス-1,4重合法を開発した。良好なサスペンジョン型の重合を行なうための重要な因子は重合溶剤であり,好ましい溶剤は25℃ における溶解パラメーターが7.2以下の脂肪族炭化水素およびジイソプロピルエーテルであることが見い出された。重合の動力学的挙動は溶剤としてトルエンを用いた均一溶液重合の場合と類似していた。すなわち重合速度はブタジエン濃度の1次に比例し,また活性触媒濃度は重合の間にほとんど変化しなかった。得られたポリマーのシス-1,4含量は高く,またゲルも含まれていなかったが,分子量はトルエンを溶剤とした場合よりも大きかった。本研究におけるブタジエンのサスペンジョン型重合法は反応熱の除去が容易であり,また油展ゴム用の高分子量シス-1,4-ポリブタジエンの製造にも適している。
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