Gastrointestinal stromal tumorとの鑑別が困難であった腸間膜線維腫症の1例

2008 
症例は41歳の女性で, 下腹部痛を主訴に近医を受診し, CTにて腹部腫瘤を指摘され, 当院紹介となった. 腹部超音波検査, CT, 下部消化管内視鏡検査などで横行結腸粘膜下腫瘍と診断し, 開腹術を施行した. 横行結腸筋層に連続する最大径4.2cmの腫瘍を認め, 病理組織学的には紡錘形の腫瘍細胞の増生からなっており, gastrointestinal stromal tumor(以下, GIST)と診断した. 術後1年8か月のCTにて同部位に径5cm大の腫瘤を指摘され, GIST再発を疑い, 再度開腹術を施行した. 前回吻合部を巻き込む腫瘍を認め, 初回手術時の標本を含めて再度検討した結果, 病理組織学的に初回, 2回目手術時ともに病変は腸間膜線維腫症と診断された. 腸間膜線維腫症は, 高分化な線維組織よりなる腫瘍で, 局所で浸潤性増殖を示し, しばしば再発する. 特に, 腸管に浸潤した場合は, 病理組織学的にもGISTと酷似し, 鑑別診断が困難なことも多い. 本症例について, 文献的考察を加えて報告する.
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