ポリリン酸に関する分析化学的研究(第9報)トリリン酸ナトリウムによるコバルト(II)イオンの電流滴定曲線

1957 
トリリン酸ナトリウム(Na5P3010,以下STPと略記する)はあらゆる金属イオンと非選択的に錯化反応を示す。既に発表した一般錯化反応理論の実証として, 亜鉛,ニッケル,鉛およびカドミウムに引きつづき,コバルト(II)水和イオンに対する錯化反応を電流滴定曲線を用いて追求し,生じた錯イオンの安定度定数をその曲線から算定し,かつその可溶性錯塩を作り,その分析によってその組成を明らかにした。錯化反応滴定曲線は,既報の諸実例と全く類似し,同一反応機構によることを示す。すなわち,pHが高くなるにしたがって錯化反応が進行し,その終点は明らかとなる。終点においては,Co/STP=1であり,CoP30103-の安定度定数は107程度である。また得られる錯塩結晶は,Na3CoP3010.12H20であって,50℃付近で11 H20を失い,残りの1分子の水を股水するのに350℃まで上昇せねばならない。このことも既述の錯塩と類似である
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