小児アレルギー疾患の移行期医療―患者・家族に最善の医療

2018 
◎アレルギー疾患は成人でも有病率が高く,成人期医療への移行を必要とする患者が多いが,小児期発症患者の特徴に基づく対応が必要である.気管支喘息,食物アレルギー,アトピー性皮膚炎は乳幼児期に発症し,加齢とともに自然寛解する率が高いと考えられてきた.アレルギー性鼻炎は就学前から学童期に発症しその後も持続しやすい.アレルギー疾患は慢性疾患のため症状がなくても予防的な治療や医療ケアを継続することが重要である.また環境整備,アレルゲン除去,増悪因子回避などの日常生活での対策も不可欠である.年少児発症の場合は保護者が中心にこれらを行っているが,成長に伴い治療の主体を患者自身に移行し自己管理できるようにしたい.小児気管支喘息では自然寛解率はかならずしも高くなく,小児期の呼吸機能低下が成人期にも持続し将来的な慢性閉塞性肺疾患のリスクになることが明らかとなり移行期医療の重要性が再認識されている.食物アレルギーでは小児期発症と成人発症ではフェノタイプが異なることに注意する.
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