第二世代抗精神病薬の適応拡大における認知症(BPSD)への応用

2009 
第二世代抗精神病薬は,第一世代抗精神病薬に比べて錐体外路症状などの副作用の少なさから短期間で精神科臨床の現場に広く普及し,認知症のBPSDに対しても頻繁に用いられるようになった。しかし,FDAが認知症患者では第二世代抗精神病薬使用により死亡率が増加すると警告して以来,認知症患者への第二世代抗精神病薬の使用を躊躇せざるを得なくなった。実際,その後の二重盲検試験のメタ解析でも,第二世代抗精神病薬による死亡率の増加は実証されている。しかし,第二世代抗精神病薬は,認知症の種類,BPSDの内容,合併症の有無などを考慮すれば,副作用をほとんど生じることなく,BPSDを軽減,消退させることが可能である。第二世代抗精神病薬の副作用は十分に認識されなければならないが,適切に用いれば認知症患者のBPSD治療において極めて有用なツールとなる可能性がある。 Key words :dementia, BPSD, mortality rate, cerebrovascular event, EPS
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