Hemodialysis-induced decrease in blood glucose concentration and its relation to serum insulin levels

2007 
維持血液透析中の患者233名 (非糖尿病 (N) 154名, 糖尿病・食事療法併用 (DM-Diet) 25名, 糖尿病・薬物療法併用 (DM-Drug) 54名) を対象にブドウ糖100mg/dLを含む透析液を用いた透析の開始前 (HD前) と終了前 (HD後) の血糖値を測定し, 透析中の血糖変動の実態を調査した. 透析中に摂食しない場合では, N群, DM-Diet群の血糖値はHD後に有意に低下し (p<0.0001), 摂食した場合に比してHD後血糖が有意に低く, 透析前後の血糖落差 (血糖差) も有意に大であった (p<0.05). 摂食しない場合のHD後血糖は, すべての群の約90%以上の対象者でHD前より低下し, N群の80%で100mg/dL未満, 12%で70mg/dL未満に, DM-Diet群の75%で100mg/dL未満になり, いずれも摂食した場合に比較して有意に高率であった (N群 : p<0.0001, DM-Diet群 : p=0.009). 次に, 血糖変動に関与する因子の検討を目的に, 透析中に摂食しないN群をHD後血糖と血糖差により, 1A : HD後血糖≧70mg/dLかつ血糖差<25mg/dL (31名), 1B : HD後血糖≧70mg/dLかつ血糖差≧25mg/dL (20名), 2A : HD後血糖<70mg/dLかつ血糖差<25mg/dL (2名), 2B : HD後血糖<70mg/dLかつ血糖差≧25mg/dL (6名) と分類し, 血清インスリン値 (Ins), 腎実質容積を比較した. Insは各群とも透析後に有意に低下し, 血糖差と透析前Insに有意の正相関があり, 1B群のHD前Insが1A群より有意に高値であった. 腎実質容積は各群間で差がなかった. 以上より, 透析中に摂食しない場合, 透析液にブドウ糖が添加されていても, 糖尿病, 非糖尿病例ともに低血糖に対する注意が必要であり, 透析前Ins高値が透析中の血糖低下の一因と考えられた.
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