ロングリードシーケンシング(PacBio とNanopore)の数理的理解
2018
Pacific Biosciences 社のロングリードシーケンサーが2011 年に発売され,最近ではOxford NanoporeTechnologies 社のシーケンサーも普及している.10,000 塩基を超える長いDNA 断片を読み取った配列(リード)が得られるため,短いDNA 断片を解読するショートリード技術に比べて,ゲノム解析周辺の問題は格段に容易に解けるようになったかにみえる.しかし,現実にはロングリードには15~20%のエラーが入る(平均5,6 塩基に1 回の読み間違い).このエラーとどう付き合うかは案外難しく,ロングリードシーケンシングをうまく使いこなすために肝要である.本稿ではロングリードシーケンシングの数理的背景を,高校の数学の範囲で解説する.
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