Ca free hemodialysisによる慢性腎不全の副甲状腺機能の評価

1992 
種々の異なった病態の慢性腎不全に対してCa free hemodialysis (HD) によるPTH分泌刺激試験を行い副甲状腺機能につき検討した. 臨床的に副甲状腺機能が正常の透析患者10例, secondary hyperparathyroidism (2°HPT) 3例, parathyroidectomy (PTX) 後状態6例 (うち2例は無副甲状腺) を対象とした. 試験方法はCa free HD 60分, 続いてCa 3.5mEq/lHD 4時間行い, 血清総Ca, イオン化Ca, intact-PTHを透析前, 透析後30, 60, 300分に採血し, 測定した. 血清総Caとイオン化CaはCa free HD 15分後すでに下降し, 60分目に最低となり, 300分には透析前値より上昇した. intact-PTHは, 正常副甲状腺機能の透析患者では30-60分で頂値に達し (平均Δintact-PTH 110pg/ml), 300分後には前値以下となった. 2°HPTの症例はCa free HDに過剰反応を示した (Δintact-PTH 400-1,000pg/ml). PTX後状態6例のうち4例は正常反応に, 無副甲状腺と考えられた2例では無反応であった.以上の結果から, Ca free HDによって慢性腎不全の種々の副甲状腺機能状態を評価することができ, 治療法の選択や予後の推測に活用できるものと考えた.
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