クロロ亜鉛(II)錯体固定化金属酸化物の触媒活性 ―-o-キシレンおよびシクロヘキサノンオキシムの反応-―

1979 
クロロ亜鉛(II)錯体を固定化した金属酸化物の触媒活性をo-キシレンの異性化(I)・不均化(II)反応およびシクロヘキサノソオキシムのBeckmann転位(III)・脱水開環(N)反応について調べた。調べた触媒のうち,表面に亜鉛(III)錯体を固定化したSio2およびSio2・Al203,が上記の反応に高い触媒活性を示した。しかしながら,これらの系では表面修飾により,反応選択性が特徴的に変化し反応(II)および(IV)が有利になる一方,(II)および(III)は抑制されることがわかった。Benesi法による表面酸性質の測定の結果,このことと対応して亜鉛(豆)錯体の固定化量の増加につれ,-5.6SH。+3.3の酸点は増大するが,He -5.6のそれは減少すること,かつ,そのような酸性質の変化によって観測された活性の変化を定量的に説明できることがわかった。表面亜鉛(III)錯体の熱安定性を種々の熱処理後,化学分析を行なうことによって調べた結果を考慮すると,HS-5.6の酸量の減少は亜鉛(III)錯体の固定化反応中に表面の酸性プロトンが失われることによるものである。一方,-5.6 H0≦+3.3の酸点は固定化錯体の部分的な熱分解によって発現するものである。この酸点はZn2に隣接した表面ヒドロキシル基か,あるいは配位的に不飽和なZn2+イオンのいずれかである。
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