体格・体組成・骨伝播速度に関する就農効果の共分散分析

2001 
中山間地域居住者 (19歳から74歳, 38名) のうち男子を対象に超音波法による脛骨部の音波速度 (m/sec) の測定値, 体格や体組成について, 農業への従事程度を要因にした分散分析および年齢を共変量とした共分散分析を施した。この被験者の身体計測値を日本人の標準値と比較したとき, 短身で体脂肪率が低く, 中山間地域在住者の特徴的な傾向と考えられた。超音波骨密度測定装置 (オムロンSound Scan 2000) による測定値は, 全体の平均が3950.7m/sec., SD112.4m/sec.であった。10歳刻みの平均値はオムロン社の報告値と同等か, やや大きい値となった。分散分析によると身長のみ, 農業従事効果が有意であった。体重や骨強度, LBMについては分散分析の結果, 農業従事効果は有意でなかった。共分散分析のための準備的分析を行ったが, 年齢と体脂肪率の農業従事水準群別相関係数は有意でなかった。共分散分析の結果, 身長を除き, いずれの身体計測値についても農業従事効果は有意とはならなかった。また, 結果として年齢による調整効果も存在しなかった。この理由に, 本来, 存在すべき, 共変量 (年齢) との相関性や被験者の規模などの問題が存在していることが考えられた。また, LBM, 体重, 骨強度では共分散分析のF値の有意性が分散分析より降下したが, 若年世代において体組成の充実が十全ではないことも原因と考えられる。
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