Preparation of Bi-Based High-Tc Superconductors by the Polymer Gel Method.
1993
高分子ゲル化法によってBi1.6Pb0.4Sr2.0Ca2.0Cu3.0Oy, の組成から成る高温超伝導酸化物を合成した. エチレングリコール (EG) あるいはポリエチレングリコール (PEG) 溶媒中, ポリアクリル酸 (PAA) と原料硝酸塩との反応から得られた前駆体ゲルはアモルファス構造を有した. PAA-PEG系ゲルを860℃で仮焼したのち, 850℃で72時間焼成して得られた酸化物は臨界温度106Kの高温超伝導相のみから成る物質であった. 一方, PAA-EG系の場合, そのような高温超伝導相の割合は長時間焼成しても増大しなかった. 前駆体はエステル結合と金属イオンによって架橋されたゲル構造をもつものであった. 前駆体ゲルから酸化物への熱処理過程を検討した結果, 高温超伝導相の生成はそれが形成される前過程で生じる複合酸化物, 特にCa2PbO4の存在が重要であって, PAA-PEG系ゲルの場合はその複合酸化物の生成を制御することによって高温超伝導相を成長させる, と考察される.
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